最近は低価格化の波が来ている有機ELテレビ。そろそろ購入を検討してみようかなと思っているのではないでしょうか?
今回は私の液晶ディスプレイ設計エンジニアの経験と、有機ELテレビ、液晶テレビそれぞれの特徴を踏まえて、どちらを買うべきかアドバイスしていきます。
私はディスプレイ設計者
私の前職は液晶ディスプレイの設計者です。
液晶ディスプレイのパネル設計開発、製造プロセス設計もやっていました。
特に中型や小型の液晶ディスプレイはイヤと言うほど見てきたエンジニアです。
具体的なメーカーや機種は言えませんが、国内8割、海外2割くらいの割合で担当製品を設計してきました。
ケータイ、カーナビ、テレビ等様々な製品を設計してきました。
携帯の液晶、動画対応のカーナビ用液晶、パチスロ液晶、2画面の携帯ゲーム機の液晶を手掛けてきました。
様々なディスプレイの設計開発を手掛けた私が、有機ELテレビと液晶テレビ、買うならどちらがおすすめか解説してきます。
画質
有機ELと液晶を画質で比較していきます。
画質と一口に言っても、明るさ、視野角、コントラスト、色純度、応答速度など様々な尺度があります。有機ELと液晶はそれぞれ特徴があります。
それぞれの得意としていることを踏まえておきましょう。
明るさ
有機ELの方が明るくすることができて高画質です。
明るさは「輝度」という表現で表せます。
有機ELは、特に一部分だけピカッと光らせることが可能なディスプレイです。
有機ELは自発光型のディスプレイなので急激に電流や電圧をかければ、急激に明るくすることが可能です。
いくらでも瞬間的に最大輝度を高くすることができるわけです。
対して、液晶は液晶自身が発光できない透過型のディスプレイでバックライトの力が必要です。
液晶は一部分だけピカッと光らせることができません。
バックライトの光を強くすると液晶画面全体が明るくなってしまうため、黒い映像も白っぽい映像になってしまいます。
コントラスト
有機ELの方がコントラストは高くなり高画質です。
有機ELは黒を表現する時は、映像が光りません。白を表現する時は先程の明るさの解説であったようにいくらでも明るくすることができます。
そのため、高いコントラストが出せるわけです。
対して液晶は、黒を表現する時はバックライトの光を液晶で遮断して黒を表現しています。
遮断といっても完璧ではなく、チョッピリ光が漏れている黒なのです。
また、明るさもバックライト任せなのでコントラストを上げようと明るくしても、黒の明るさもつられて明るくなってしまうのでコントラストを上げることができないのです。
視野角
視野角は画面を斜めから見ても映像が見られるか、その最大角度のことです。
有機ELの方が視野角は高く、高画質です。
有機ELは素子そのものが光るので光の方向を抑制していません。
対して液晶はバックライトの光を液晶でコントロールして偏光板で方向性をコントロールしているのでどうしても視野角が狭くなってしまいます。
しかしIPSなどの視野角を拡大できる技術のおかげでスペック上は有機ELの方が広い視野角ですが、実用上大きな差はありません。
発色
色の鮮やかさを比較した場合、有機ELの方が発色が良く高画質です。
有機ELは発光した光をそのまま映像としています。
それに対して液晶はバックライトの光をカラーフィルターを通して映像としているので、どうしても発色は低下します。
カラーフィルター型の有機ELディスプレイも液晶と同じ原理で、バックライトの代わりに白色有機ELを使っているので発色が低下します。
現在売られている有機ELテレビはカラーフィルター型の有機ELディスプレイなので、有機ELテレビと液晶テレビの発色に大きな違いは無いということになります。
応答速度
応答速度は映像の切り替わりの速度だと思ってください。
応答速度は有機ELの方が優れています。
液晶テレビだと動きの大きい、スポーツ、アクション映画、ゲームをしている時に残像が残ったような思いをしたことがあると思います。
最近では様々な工夫を撮取り入れ液晶でも高速な応答速度を持つ液晶ディスプレイも登場しました。
しかし、有機ELディスプレは圧倒的な差があります。
「有機ELのすべて」より引用すると
有機ELは液晶に比べて1000倍も高速応答とのこと。
実際に私も有機ELテレビでスポーツ観戦やゲームを遊んでみましたが、全く残像はありません。
ブラウン管やプラズマテレビのようなクッキリとして動きを観ることができます。
コスト
やっぱり気になるのはお金に関することですよね。性能と価格は表裏一体です。
次はコストに関して話をしていきます。
価格
現在、液晶テレビの方が価格が安いのは確かです。
有機ELテレビのラインナップは55型、65型ですが、同サイズの液晶テレビよりも少し高い感じがします。
しかし、有機ELの製造工程は液晶ディスプレイよりも簡易な上、今まで液晶ディスプレイを製造してきた設備を転用可能です。
技術さえ確立してしまえば、今の液晶よりも安くなる可能性を持っています。
数年後には価格破壊が起きてもおかしくないわけです。
消費電力
消費電力は圧倒的に有機ELの方が効率が良い。
有機ELは必要なところだけ光らせて映像を映し出します。
対して液晶は常にバックライトを画面いっぱいに光らせなて、必要なところだけ光を透過する仕組みになっています。
仮に真っ黒な映像を流す時にもバックライトは光ったままなので電気を多く消費します。
必要なところだけ光らせるので有機ELの方が電力の効率が良いです。
寿命
寿命も気になるところです。
いつまでテレビが使えるか気になるところですね。
現時点では有機ELの方が短いのが現実です。
数年経ったら少しづつ暗くなったり、シミのような欠陥がふえてくる現象があると聞いていましたが。
最近は聞こえなくなってきました。改善の技術が取り入れられたのではないかと思っています。
思えば、液晶テレビも似たような寿命の問題がありました。
現在は、有機ELの寿命が訪れる前にテレビを構成している部品の方が早く寿命がくる場合が多いので寿命は気にしなくても良いと思っています。
液晶より有機ELの方が寿命が短いが、液晶テレビと有機ELテレビの寿命は大差ないのではないでしょうか?
表示部分より他の部品に早く寿命が来る為です。
まとめ
画質は圧倒的に有機ELテレビの方が高画質です。ただ、価格が液晶テレビよりも少し高めなので用途に応じて有機ELテレビと液晶テレビを選ぶのが良いです。
有機ELテレビをおすすめ
スポーツ、ゲーム、アクション映画など、動きが多いコンテンは応答速度の早い有機ELテレビの方がおすすめです。液晶のような残像を感じることが無く、激しい動きの映像を見ていても目が疲れにくくなります。
大画面でゲームをしている人にもおすすめです。FPSなど動きの激しいゲームなど液晶だと残像感が残ります。
有機ELテレビなら高速応答でゲーミング液晶よりも高速に表示することができるます。
アニメ、自然などの輝度、色純度、コントラストが映えるコンテンツも有機ELテレビをおすすめしたいです。
単色の多いアニメや、色鮮やかな細かい映像の多い、色が映えるコンテンツは有機ELの方が心地よく観ることができます。
ただ、ひとつ制限があるのは有機ELテレビのサイズです。
事実上、55V型、65V型の2種類しか売っていないので、このサイズのテレビが置ける家だけとなってしまうのがネックです。
液晶テレビをおすすめ
ニュース、ドラマ、バラエティーなどの動きの少ないコンテンツは液晶テレビの方がリーズナブルです。
もともと動きが少ないので残像感も気にしなくて良いからです。
サイズは、有機ELが55V型と65V型の2種類しか選べないのに対して、液晶テレビは19~85V型まで様々なサイズを選ぶことができます。
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