悩んでも無駄です!設計エンジニアが有機ELテレビの焼き付け問題について語ります

2020年3月23日

有機ELテレビの焼き付けが気になってこのブログに来たのではないでしょうか?

有機ELテレビは焼き付けが酷いらしいよ?買っちゃいけないのかな?買っても大丈夫なのかな?

そんな気持ちでこの記事を読んでいるのでは無いでしょうか?

今回は、私のディスプレイ設計者の経験に基づいて有機ELテレビの焼き付け問題で悩んでも無駄なことを話していきます

私はディスプレイ設計者

私の前職は液晶ディスプレイの設計者です。

液晶ディスプレイのパネル設計開発、製造プロセス設計もやっていました。

特に中型や小型の液晶ディスプレイはイヤと言うほど見てきたエンジニアです。

具体的なメーカーや機種は言えませんが、国内8割、海外2割くらいの割合で担当製品を設計してきました。

ケータイ、カーナビ、テレビ等様々な製品を設計してきました。

携帯の液晶、動画対応のカーナビ用液晶、パチスロ液晶、2画面の携帯ゲーム機の液晶を手掛けてきました。

様々なディスプレイの設計開発を手掛けた私が、有機ELテレビの焼き付け問題で悩んでも無駄なことを解説していきます。

焼き付きとは?

焼き付きとは、「画面に残像が残ったまま消えない」状態のことです。

例えばこんな場合

  • 真っ白の映像なのに前の画面の映像が残ったまま
  • 画面全体の色がぼんやりと違う色に見える
  • 画面を切り替えても、ゲームの映像がほんのり残っている
  • 色味が部分的におかしい

など、画面の表示がしっかりと機能していない状態のことを指します。

焼き付きは、特に有機ELディスプレイやブラウン管ディスプレイには顕著に現れる不具合です。

あまり話題にされませんが、液晶ディスプレイにも焼き付きは起ります

単に液晶に比べて有機ELは焼き付きが起こりやすいのです。

焼き付きの原因は?

焼付きの原因は主に2つ

  • 素子の劣化
  • 素子のメモリー効果

です。

それぞれ簡単に説明していきます。

画素の劣化

有機ELディスプレイは、画素を構成している素子そのものが発光する自発光素子です。

素子は光り続ければ、蛍光灯と同じように劣化し暗くなっていきます

素子の劣化によって、本来表示したい色を再現できなくなり、変色といった不具合が起ります。

また、同じ画面を長い時間表示した後に違う画面を表示すると「残像」が残ることがあります。

長い間、画素に電気を流していると帯電の影響で、急に映像状態に切り替えるのは難しくなります。(液晶での焼き付け問題の原因のほとんどはコレ)

例えば、

  • ブラウザ
  • アイコン
  • ゲーム画面
  • 壁紙
  • 動画

これらは同じ映像を長時間表示し続けるので、焼付きが起こりやすいのです。

焼き付きの直し方

焼き付きは、直るものと直らないものがあります。

メモリー効果による、焼き付きは、テレビを消したままにしたり、様々な映像を流している間に自然と消えたり、目立たなくすることができます

自然に消える場合は、メモリー効果が開放されたのである程度もとに戻りますが、目立たなくなった場合は単に目立たなくなっただけで、劣化が起きています。

素子の劣化よにる焼き付きは、パネルの取替え以外に方法がありません

しかし、液晶ディスプレイも有機ELディスプレイもパネルの交換は非常に困難です。

それは、薄型の本体を作る為に分解不可能な程、本体がガチガチに仕上がっているのでパネルだけ取り外して付け替えると、それ相応の労力と時間が必要になります。

パソコンの液晶ディスプレイの修理を依頼したら、新しいディスプレイが買える程の修理代を請求されるのはこういった事情があるのです。

焼き付きは保証対象か?

焼き付きは、メーカーも起きることが分かっている不具合です。

しかし、保証対象になるかどうかはメーカーによって様々です。

保証期間に極端な焼き付きが起きていて、メーカーが認めた場合は、交換等の保証が効きます。

ただ、焼き付きは起こるのが分かっている不具合なので、メーカーが認めるかどうか難しいところです。

メーカー保証の他にも販売店による長期保証をつけると、比較的少額で修理対象になるので、心配な人は長期保証をつけると良いでしょう。

焼き付きの防ぎ方

焼き付きを防ぐ方法についていくつか紹介します。

画面はこまめに消す

有機ELディスプレイの焼き付きを防ぐ方法は、画面を付けっぱなしにしないことです。

画面が表示されている間は画素に負荷がかかります。使わない時はこまめに画面をオフにしましょう。

同じ画面を表示し続けない

壁紙、写真などの静止画像を長時間表示しないようにしてください。

特に壁紙は同じ位置に画像を表示し続けるので特定の場所の素子の負担が大きくなります。

画面の明るさをセーブする

画面の明るさを下げると画素の劣化を抑えることができます。

画面を明るくすると有機ELには多くの電力が使われます。

電力が画素に使われると画素は劣化します。

劣化すると、焼き付きが起こるので、劣化させないように明るさをセーブします。

できれば、明るさの自動調節機能を活用しましょう。

背景は暗い映像にする

有機ELの特性上、黒表示では画素に最小限の電力供給で済みます。

黒表示で画素の劣化を防ぎ、焼き付きを防止することができます。

まとめ

有機ELテレビは焼き付き問題は抱えていますが、工夫次第である程度防ぐことができます

焼き付き問題は有機ELテレビ特有の問題のように扱われていることが多いですが、液晶テレビにもバックライトの劣化問題、映像を明るく見せる為に、バックライトを明るくしすぎて、ちっとも省電力にならない問題等、有機ELテレビも、液晶テレビも様々な問題を抱えています

どの問題を許容するかということになると思います。

しかし、ほとんどの場合それら劣化を起因とする問題が見つかる前に、新しいテレビに買い替えをするのではないでしょうか?

映像技術は5年も経てば大きく変わるので、5年後に次のテレビがほしいなぁ~7~8年後に買い替えでいいと思っています。

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