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悩んでも無駄です!設計エンジニアが有機ELテレビ寿命について語ります

有機ELテレビの寿命が気になってこのブログに来たのではないでしょうか?

有機ELテレビ欲しい!でも、寿命が短いらしいよ?買っていいのかな?買っちゃいけないのかな?

そんな気持ちでこの記事を読んでいるのでは無いでしょうか?

今回は、私のディスプレイ設計者の経験に基づいて有機ELテレビの寿命で悩んでも無駄なことを話していきます。

私はディスプレイ設計者

私の前職は液晶ディスプレイの設計者です。

液晶ディスプレイのパネル設計開発、製造プロセス設計もやっていました。

ケータイ、カーナビ、テレビ等様々な製品を設計してきました。

特に中型や小型の液晶ディスプレイはイヤと言うほど見てきたエンジニアです。

具体的なメーカーや機種は言えませんが、国内8割、海外2割くらいの割合で担当製品を設計してきました。

携帯の液晶、動画対応のカーナビ用液晶、パチスロ液晶、2画面の携帯ゲーム機の液晶を手掛けてきました。

様々なディスプレイ設計開発を手掛けた私が、有機ELテレビの寿命で悩んでも無駄なことを解説していきます。

有機ELの寿命は短い

有機ELの寿命は液晶に比べて短い。それは事実です。

原理的に表示部分の劣化は避けられません。

その上、現在販売されている液晶ディスプレイは信頼性の高い材料や設計をしています。

まだ量産化されて間もない大型の有機ELテレビと比較するのは、あまりに有機ELテレビが不利すぎて酷という感じがするくらいです。

例えるなら液晶テレビは安定的に仕事をしてくれるベテラン有機ELは荒削りだが鳴り物入りで登場した新人というところでしょう。ポテンシャルや性能は高いんですが、弱点も多いそんな感じです。

でも、今はベテランな液晶テレビも新人の時がありました。

そのときの液晶テレビの前評判はこんな感じ。

  • 低消費電力
  • 薄型
  • 低価格

低消費電力がウリの液晶なのに、電気バカ食い。バックライトが電気をバカ食いしてるわけです。液晶部分は悪くない。

薄型といっても、ブラウン管テレビと比較して薄いだけ。大型テレビだとバックライトも排熱機構も搭載しないといけないので結構厚めになる。

今でこそ安く液晶テレビを買えますが、最低でも1インチ1万円位が相場、32インチテレビなら32万円以上は当たり前。それ以上のサイズは極端に高くなる。

どんな製品にも良いところ悪いところがあることを知っておきましょう。

有機ELテレビの寿命が短いわけではない

有機ELそのものは液晶より寿命が短いのは原理的にしょうがないとしても。

有機ELテレビが液晶テレビよりも寿命が短いのは間違いです。

なぜかというと、テレビの多くは映像部分よりも他の部分の方が壊れやすい事実をご存知でしょうか?

テレビは様々な部品で構成されています。

有機ELや液晶のような映像を表示する部品、映像を再生する映像エンジン、放送を受信するチューナー、電気を供給する電源等、様々なもので構成されています。

そのうち大切な部品が故障した場合、全く映像が映らなくなれば「故障」ということになります。

私達ユーザーは映像が映らなくなったりしたら「故障」言ってメーカーに修理を依頼すると思います。

ほとんどの場合、故障の原因は映像表示部以外の部分が故障してメーカーに修理依頼されます。

表示部分の劣化が原因で故障することは本当に稀です

故障するとすれば、24時間何年も映像を流し続けている電気屋さんとか、高温多湿なサウナに設置しているとか、特殊な環境で使用してるものばかりです。

そんな特殊な環境だと液晶テレビでも、有機ELテレビでも、ブラウン管テレビでも早めに寿命が訪れるのは当たり前です。

そもそも、そんな環境で使うことを想定して設計してませんからね。

仮にそんな環境で使うことを想定して設計すると、とんでもない価格になってしまいます。

なので、有機ELテレビでも液晶テレビでも表示部分以外のところが寿命になったら終わりということになってしまいます。

寿命が短い有機ELがスマホに使わるワケ

有機ELがスマホに使われるのはなぜでしょうか?

もちろん高画質、薄型にできるメリットがありますが、小型の画面は良品がたくさん作れるという側面もあります。

例えば、大画面サイズだと1つ欠陥があれば不良品になってしまいますが、小さい画面サイズだと欠陥があるパネルだけ不良にして他は良品になるので、良品をたくさん作れます。

良品をたくさん作れれば、低価格で作ることができます

あと、スマホの有機ELは、長い期間使うことができます

使い方として、テレビの有機ELは何時間も表示しっぱなしに対して、スマホの有機ELは、こまめに点けたり消したりする使い方なので、何時間も連続で何時間も表示させっぱなしてことはありません。

通算で表示させている時間が短くなるのでテレビ用より長い寿命で使えるわけです。

その上、スマホは数年毎に買い替えます。

テレビのように10年以上も使い続けることは、ほとんどありません。

有機ELの寿命が訪れる前に買い替えするので、スマホと相性が良いのです。

有機ELテレビの寿命を気にする必要はない

このように、原理的に有機ELが液晶に比べて寿命が短いといっても、有機ELテレビが液晶テレビより寿命で劣っているというわけでは無いということが分かって頂けたのではないかと思います。

今、有機ELテレビを買って10年後位には、量子ドットテレビ、マイクロLEDテレビ等新技術を搭載したテレビが登場することでしょう。

その頃には、今のように有機ELテレビか液晶テレビか悩んでいるように、有機ELテレビか、量子化ドットテレビか、マイクロLEDテレビか、購入を迷っていることでしょう。

今、有機ELテレビを買っても寿命が来る前に次世代のテレビ購入で悩んでいるのではないでしょうか?

まとめ

今回は、有機ELテレビの寿命で悩んで購入を迷っても無駄であることを解説してきました。

いかがだったでしょうか?確かに寿命は気になりますが、ほとんどの場合、予想とは違う形で寿命を迎えることが多いです。

その上、有機ELだけでなく液晶もディスプレイ製品の場合、点灯しない故障は稀で、寿命に近づくと少しづつ暗くなるのがほどんどです。

暗くなることをメーカーに故障とクレームを言っても、「仕様です」の一点張り。

それでも修理してくれと言っても、もう一台買える位の修理費を請求されるので事実上修理するとはありません。

欲しい時や、タイミングがある時に買うのが一番です。

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