イラストを描いている様子や小動物の様子など、手軽に画面に映し出したりライブ配信したいと思ったことありませんか?小学校やプレゼンではOHPやプロジェクターを使っていますが、ライブで手元の様子を映し出す実物投影機能はありません。
しかし、それを可能にするのが書画カメラです。
書画カメラの中でもワイヤレスで使えるモデルを試す機会を得られました。
今回は、ワイヤレス書画カメラIPEVO社製VZ-Xを使ってどのようなメリットがあるか紹介していきます。
ワイヤレス書画カメラとは
書画カメラとは
書画カメラ(しょがカメラ)は、資料など主に平面の被写体をビデオカメラで撮影して映像信号に変換する装置である。主にオーバーヘッドプロジェクター(OHP)など教育やプレゼンテーションの場で利用されてきた機器を置換する目的で利用される。オーバーヘッドカメラ(overhead camera)や、それを略したOHCの名称も使われる。
ワイヤレス書画カメラは書画カメラの機能に加え、文字通りワイヤレスで使える書画カメラです。IPEVO VZ-Xの特徴は下記です。
- ワイヤレスでPC, Mac, iPad, iPhone, Androidに表示できる
- バッテリー内蔵なので電源無しで使える(連続使用時間は9〜12時間)
- 軽量かつ強固なグラスファイバースタンドを採用
- 本体だけでプロジェクターやモニターに投影できる
- USB/Wi-Fi接続でPCで表示できる
- 800万画素のソニー製CMOSセンサーなので高画質
- LEDライト内蔵
この製品のポイントは、ワイヤレス接続とバッテリー内蔵でしょうか。この後じっくり見ていきます。
詳しい仕様については公式サイトを参照してください。
仕様
- 800万画素カメラ
- 解像度:最高 3264 x 2448(USBモード) / 最高 1920 x 1080(HDMIモードまたはWi-Fiモード)
- フルオートフォーカスレンズ
- 最高30fps(解像度1920 x 1080)
- バッテリー持続時間:9〜12時間
- 対応デバイス:Mac/Windows/Chromebook/Apple TV/iPhone/iPad/Androidタブレット/Androidスマートフォン
- 撮影範囲:283 x 501mm[16:9] / 363 x 483mm[4:3]
- サイズ(折たたみ時):11.6 x 11.0 x 32.2cm
- 重量:1.17kg
- USBケーブル長さ:1.5m
- カラー:ブルー
- 型番:CDVH-02IP
開封
では、早速開封していきます。
バッテリー内蔵ということだけあって、ズッシリしています。軽量のノートPCと同じような重みがあります。
最近の海外製PC関連機器に多い、質素なパッケージになっています。いつもながら、簡易的な梱包された製品です。日本のPC関連製品と違ってゴテゴテした色使いでは無いので、好感が持てます。
この箱は緩衝材と一体になっていて、この製品をしっかり保護できるようになっているます。製品を保管する時はこの箱に入れた状態で保管することをおすすめします。
製品外観
製品の下の黒い部分にバッテリーが内蔵されているようです。バッテリーの上に支柱部分があり、その先にはアームとカメラが接続されています。
本体だけで使う場合のボタン類は支柱内側と外側に配置されています。ボタン類は押しやすい大きさで、感覚的にはiPhoneのホームボタンくらいの大きさです。ボタンがとても押しやすい。
Wi-Fi / USB HDMIの使い分け
この製品との接続はWi-Fiのワイヤレス接続とPCとの接続のUSB接続、直接モニターやプロジェクターに接続するHDMI接続モードがあります。
それらの切り替えは本体の「Wi-Fi / USB HDMI」スイッチを切り替えることで使い分けることができます。
ワイヤレスで使いたいときは「Wi-Fi」、PCや直接モニターに繋いで使いたいときは「USB HDMI」です。
PCにUSB接続した状態でHDMIにモニターを接続するとPCとUSBの方を優先して接続するようになるので、USBとHDMI接続の切り替えはPCとのUSBの抜き差しで対応しましょう。特に使っていて不自由することは無いです。
バッテリーのおかげで、どこでも持っていける
この製品の特徴はバッテリー内蔵したところです。今までの書画カメラは基本的に外部から電源をとる必要がありました。ワイヤレス、そしてバッテリー内蔵。この2つの大きな機能のおかげで様々な場所で使うことが可能になりました。後ほどワイヤレス接続の様子を紹介します。
バッテリー残量はボタンひとつでわかる
バッテリーの残量は本体下部のボタンを押して、緑LEDランプの数で残量がわかるようになっています。最小はLED1つ表示。最大でLED5つ表示です。モバイルバッテリーのようにボタンひとつでバッテリー残量がわかるのは便利です。
iPad, iPhone, Androidにワイヤレス接続
この製品の特徴。ワイヤレス接続を早速確かめてみます。iPhoneやiPadを例にワイヤレス接続していきます。
「設定」→「Wi-Fi」→「VZX_*****」(*****部分は機種固有?)に接続します。パスワードを聞かれることはありません。選んで接続するだけです。
接続中はインターネットに接続することは出来ないのでメールやSNS等の通知を受信することはできません。
iPhoneはiPhone 8 Plus、iPadはiPad mini2、AndroidはGalaxy Note3 を使いました。
あらかじめ専用のアプリ「Visualizer」をiTunes StoreやGoogle Playからダウンロードしておきます。
VZ-XとWi-Fi接続された状態でVisualizerを起動します。カメラの接続先を「VZ-X」に指定することで表示できるようになります。簡単ですね。色も鮮やかできれいに表示できます。
Windows PCやMacにワイヤレス接続
次はPCとMacに接続してみます。PCはPanasonic CF-SX3、MacはMacBook Air 2011を使用しています。
接続方法はiPhoneと同じような手順です。Wi-Fiの接続先をVZ-Xに指定して、PC版やMac版のVisualizerを起動し、カメラの選択を「VZ-X」にするだけです。
古いAndroidタブレットで使えるのか?
残念だったのが、古いAndroidタブレットたち。Xperia Tablet ZとNexus 7 2013では表示することができませんでした。古いAndroid端末だと動かない機種もあるので注意しましょう。
モニターに本体だけでHDMI接続
本体だけでモニターにHDMI接続してみました。電源はバッテリーを使っています。接続方法は単純に、HDMIケーブルでモニターに繋ぐだけです。難しい設定は無く、つなげれば映ります。キレイに映ってますね。
プロジェクターにHDMI接続
次はプロジェクターにHDMI接続してみました。プロジェクターを使うので部屋は暗い状態です。(昼間だと完全に暗くならないので夜に撮影しました。)
本体はバッテリーで動いていて、照明は本体内蔵のLEDライトを使っています。完全に本体だけの電源だけで動いています。
プロジェクターで表示させています。暗所で比較できるものがありませんが、60インチ相当の大きさで表示しています。プロジェクターは安物で2万くらいの中華製です。プロジェクターの品質は良いものではないですが、VZ-Xのカメラセンサーが優秀なのか、かなりキレイに写し出せました。
手元の様子を書画カメラで撮って、60インチ相当に大きく表示されると、「おぉ〜〜〜すごいな!」と生の声を出してしまいました。それほどインパクトは大きいです。部屋が狭くて60インチまでしかプロジェクターで大きく出来ませんが、100インチ相当にするとどんなんだろうと、ワクワクしちゃいました。(笑)
この画質と機能なら小学校のOHPやビジネス用の実物投影機として十分に活用できそうですね!
生で動きのある様子を大画面で写して大人数で見られるのは一味違った感動があります。
純正アプリ「Visualizer」は機能がいっぱい
ここからは純正アプリ「Visualizer」の機能をみていきます。まずはiPhone、iPad版です。
iPhone、iPad版アプリの下部に撮影モード選択と開始・停止ボタンがあります。
右下にはLEDライト、撮影設定の固定、グリッドライン、フォーカスが表示されています。このボタンをクリックすることでON / OFFを切り替えることができます。
PC、Mac版Visualizerの撮影モード
撮影モードは以下の9つです。
- スナップショット
- 録画
- スローモーション
- タイムラプス
- QRコードスキャナ
- テキスト読み上げ
- ドキュメントスキャン
- 一部を拡大
- ストップモーション
基本的に欲しい撮影機能は備わっている感じです。私の場合スナップショットで手元の撮影、ドキュメントスキャンでドキュメントスキャナーの代わりとして重宝しています。
単純に、VZ-XとPCをワイヤレス接続してVZ-Xを電波が届く範囲で持ち運んでPCに表示することで、書画カメラが完全ワイヤレス可動することができます。更に、PCとプロジェクターを接続すれは、書画カメラは完全ワイヤレス、映像は大画面で表示することができます。持ち運びにくい描いてる途中のイラストや、美術品を手軽に写し出せるのはこの製品の大きなメリットですね。
PC、Mac版Visualizerの他の機能
他の設定もみていきます。
ズームは最大12倍までデジタルズームできます。
回転は360度回転と上下左右反転できます。
解像度は動画だと最大1920 x 1080まで対応しています。
あとは露出、フォーカス、ホワイトバランス、フィルター(効果)といったところです。
欲しい設定はVisualizerで設定できます。また、ほとんどの機能は本体のボタンで実現できます。細かい微調整が必要な時にはVisualizeを使うと良いでしょう。
iPhone、iPad版Visualizerの他の機能
iPhone、iPad版Visualizerの機能はWindows版、Mac版とほとんど変わりません。撮影モードが、
- スナップショット
- 録画
- テキスト読み上げ
の3つしか無いことくらいで、他は変わりません。参考画像は下記です。
まとめ
ワイヤレス書画カメラIPEVO VZ-Xをレビューしてきました。ワイヤレス接続とバッテリー内蔵の効果が大きく、学校やビジネスだけでなく、ライブ配信、持ち運びカメラ等、様々な状況で活用できそうな便利な製品です。書画カメラとしては完成形といっても良いほど完成度の高い製品です。
今後、同社の製品をアップグレードするとしたら、コンパクトに折り畳めたり、microSDスロット搭載して単独で録画できるようになったり、単独でWi-Fi接続のYouTubeライブ、Skype、できるようになると、死角無しだな!と妄想してみたくなりました。それほど完成度の高い製品です。
気になる点や、質問、リクエストがありましたらコメントでお願いします。
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