無線&バッテリーが強力!ワイヤレス書画カメラIPEVO VZ-Xをレビュー
イラストを描いている様子や小動物の様子など、手軽に画面に映し出したりライブ配信したいと思ったことありませんか?小学校やプレゼンではOHPやプロジェクターを使っていますが、ライブで手元の様子を映し出す実物投影機能はありません。
しかし、それを可能にするのが書画カメラです。
書画カメラの中でもワイヤレスで使えるモデルを試す機会を得られました。
今回は、ワイヤレス書画カメラIPEVO社製VZ-Xを使ってどのようなメリットがあるか紹介していきます。
ページコンテンツ
- 1 ワイヤレス書画カメラとは
- 2 開封
- 3 製品外観
- 4 Wi-Fi / USB HDMIの使い分け
- 5 バッテリーのおかげで、どこでも持っていける
- 6 バッテリー残量はボタンひとつでわかる
- 7 iPad, iPhone, Androidにワイヤレス接続
- 8 Windows PCやMacにワイヤレス接続
- 9 古いAndroidタブレットで使えるのか?
- 10 モニターに本体だけでHDMI接続
- 11 プロジェクターにHDMI接続
- 12 純正アプリ「Visualizer」は機能がいっぱい
- 13 PC、Mac版Visualizerの撮影モード
- 14 PC、Mac版Visualizerの他の機能
- 15 iPhone、iPad版Visualizerの他の機能
- 16 まとめ
- 17 関連記事
- 18 関連製品
ワイヤレス書画カメラとは
書画カメラとは
書画カメラ(しょがカメラ)は、資料など主に平面の被写体をビデオカメラで撮影して映像信号に変換する装置である。主にオーバーヘッドプロジェクター(OHP)など教育やプレゼンテーションの場で利用されてきた機器を置換する目的で利用される。オーバーヘッドカメラ(overhead camera)や、それを略したOHCの名称も使われる。
ワイヤレス書画カメラは書画カメラの機能に加え、文字通りワイヤレスで使える書画カメラです。IPEVO VZ-Xの特徴は下記です。
- ワイヤレスでPC, Mac, iPad, iPhone, Androidに表示できる
- バッテリー内蔵なので電源無しで使える(連続使用時間は9〜12時間)
- 軽量かつ強固なグラスファイバースタンドを採用
- 本体だけでプロジェクターやモニターに投影できる
- USB/Wi-Fi接続でPCで表示できる
- 800万画素のソニー製CMOSセンサーなので高画質
- LEDライト内蔵
この製品のポイントは、ワイヤレス接続とバッテリー内蔵でしょうか。この後じっくり見ていきます。
詳しい仕様については公式サイトを参照してください。
仕様
- 800万画素カメラ
- 解像度:最高 3264 x 2448(USBモード) / 最高 1920 x 1080(HDMIモードまたはWi-Fiモード)
- フルオートフォーカスレンズ
- 最高30fps(解像度1920 x 1080)
- バッテリー持続時間:9〜12時間
- 対応デバイス:Mac/Windows/Chromebook/Apple TV/iPhone/iPad/Androidタブレット/Androidスマートフォン
- 撮影範囲:283 x 501mm[16:9] / 363 x 483mm[4:3]
- サイズ(折たたみ時):11.6 x 11.0 x 32.2cm
- 重量:1.17kg
- USBケーブル長さ:1.5m
- カラー:ブルー
- 型番:CDVH-02IP
開封
では、早速開封していきます。
バッテリー内蔵ということだけあって、ズッシリしています。軽量のノートPCと同じような重みがあります。
最近の海外製PC関連機器に多い、質素なパッケージになっています。いつもながら、簡易的な梱包された製品です。日本のPC関連製品と違ってゴテゴテした色使いでは無いので、好感が持てます。
この箱は緩衝材と一体になっていて、この製品をしっかり保護できるようになっているます。製品を保管する時はこの箱に入れた状態で保管することをおすすめします。
製品外観
製品の下の黒い部分にバッテリーが内蔵されているようです。バッテリーの上に支柱部分があり、その先にはアームとカメラが接続されています。
本体だけで使う場合のボタン類は支柱内側と外側に配置されています。ボタン類は押しやすい大きさで、感覚的にはiPhoneのホームボタンくらいの大きさです。ボタンがとても押しやすい。
Wi-Fi / USB HDMIの使い分け
この製品との接続はWi-Fiのワイヤレス接続とPCとの接続のUSB接続、直接モニターやプロジェクターに接続するHDMI接続モードがあります。
それらの切り替えは本体の「Wi-Fi / USB HDMI」スイッチを切り替えることで使い分けることができます。
ワイヤレスで使いたいときは「Wi-Fi」、PCや直接モニターに繋いで使いたいときは「USB HDMI」です。
PCにUSB接続した状態でHDMIにモニターを接続するとPCとUSBの方を優先して接続するようになるので、USBとHDMI接続の切り替えはPCとのUSBの抜き差しで対応しましょう。特に使っていて不自由することは無いです。
バッテリーのおかげで、どこでも持っていける
この製品の特徴はバッテリー内蔵したところです。今までの書画カメラは基本的に外部から電源をとる必要がありました。ワイヤレス、そしてバッテリー内蔵。この2つの大きな機能のおかげで様々な場所で使うことが可能になりました。後ほどワイヤレス接続の様子を紹介します。
バッテリー残量はボタンひとつでわかる
バッテリーの残量は本体下部のボタンを押して、緑LEDランプの数で残量がわかるようになっています。最小はLED1つ表示。最大でLED5つ表示です。モバイルバッテリーのようにボタンひとつでバッテリー残量がわかるのは便利です。
iPad, iPhone, Androidにワイヤレス接続
この製品の特徴。ワイヤレス接続を早速確かめてみます。iPhoneやiPadを例にワイヤレス接続していきます。
「設定」→「Wi-Fi」→「VZX_*****」(*****部分は機種固有?)に接続します。パスワードを聞かれることはありません。選んで接続するだけです。
接続中はインターネットに接続することは出来ないのでメールやSNS等の通知を受信することはできません。
iPhoneはiPhone 8 Plus、iPadはiPad mini2、AndroidはGalaxy Note3 を使いました。
あらかじめ専用のアプリ「Visualizer」をiTunes StoreやGoogle Playからダウンロードしておきます。
VZ-XとWi-Fi接続された状態でVisualizerを起動します。カメラの接続先を「VZ-X」に指定することで表示できるようになります。簡単ですね。色も鮮やかできれいに表示できます。
Windows PCやMacにワイヤレス接続
次はPCとMacに接続してみます。PCはPanasonic CF-SX3、MacはMacBook Air 2011を使用しています。
接続方法はiPhoneと同じような手順です。Wi-Fiの接続先をVZ-Xに指定して、PC版やMac版のVisualizerを起動し、カメラの選択を「VZ-X」にするだけです。
古いAndroidタブレットで使えるのか?
残念だったのが、古いAndroidタブレットたち。Xperia Tablet ZとNexus 7 2013では表示することができませんでした。古いAndroid端末だと動かない機種もあるので注意しましょう。
モニターに本体だけでHDMI接続
本体だけでモニターにHDMI接続してみました。電源はバッテリーを使っています。接続方法は単純に、HDMIケーブルでモニターに繋ぐだけです。難しい設定は無く、つなげれば映ります。キレイに映ってますね。
プロジェクターにHDMI接続
次はプロジェクターにHDMI接続してみました。プロジェクターを使うので部屋は暗い状態です。(昼間だと完全に暗くならないので夜に撮影しました。)
本体はバッテリーで動いていて、照明は本体内蔵のLEDライトを使っています。完全に本体だけの電源だけで動いています。
プロジェクターで表示させています。暗所で比較できるものがありませんが、60インチ相当の大きさで表示しています。プロジェクターは安物で2万くらいの中華製です。プロジェクターの品質は良いものではないですが、VZ-Xのカメラセンサーが優秀なのか、かなりキレイに写し出せました。
手元の様子を書画カメラで撮って、60インチ相当に大きく表示されると、「おぉ〜〜〜すごいな!」と生の声を出してしまいました。それほどインパクトは大きいです。部屋が狭くて60インチまでしかプロジェクターで大きく出来ませんが、100インチ相当にするとどんなんだろうと、ワクワクしちゃいました。(笑)
この画質と機能なら小学校のOHPやビジネス用の実物投影機として十分に活用できそうですね!
生で動きのある様子を大画面で写して大人数で見られるのは一味違った感動があります。
純正アプリ「Visualizer」は機能がいっぱい
ここからは純正アプリ「Visualizer」の機能をみていきます。まずはiPhone、iPad版です。
iPhone、iPad版アプリの下部に撮影モード選択と開始・停止ボタンがあります。
右下にはLEDライト、撮影設定の固定、グリッドライン、フォーカスが表示されています。このボタンをクリックすることでON / OFFを切り替えることができます。
PC、Mac版Visualizerの撮影モード
撮影モードは以下の9つです。
- スナップショット
- 録画
- スローモーション
- タイムラプス
- QRコードスキャナ
- テキスト読み上げ
- ドキュメントスキャン
- 一部を拡大
- ストップモーション
基本的に欲しい撮影機能は備わっている感じです。私の場合スナップショットで手元の撮影、ドキュメントスキャンでドキュメントスキャナーの代わりとして重宝しています。
単純に、VZ-XとPCをワイヤレス接続してVZ-Xを電波が届く範囲で持ち運んでPCに表示することで、書画カメラが完全ワイヤレス可動することができます。更に、PCとプロジェクターを接続すれは、書画カメラは完全ワイヤレス、映像は大画面で表示することができます。持ち運びにくい描いてる途中のイラストや、美術品を手軽に写し出せるのはこの製品の大きなメリットですね。
PC、Mac版Visualizerの他の機能
他の設定もみていきます。
ズームは最大12倍までデジタルズームできます。
回転は360度回転と上下左右反転できます。
解像度は動画だと最大1920 x 1080まで対応しています。
あとは露出、フォーカス、ホワイトバランス、フィルター(効果)といったところです。
欲しい設定はVisualizerで設定できます。また、ほとんどの機能は本体のボタンで実現できます。細かい微調整が必要な時にはVisualizeを使うと良いでしょう。
iPhone、iPad版Visualizerの他の機能
iPhone、iPad版Visualizerの機能はWindows版、Mac版とほとんど変わりません。撮影モードが、
- スナップショット
- 録画
- テキスト読み上げ
の3つしか無いことくらいで、他は変わりません。参考画像は下記です。
まとめ
ワイヤレス書画カメラIPEVO VZ-Xをレビューしてきました。ワイヤレス接続とバッテリー内蔵の効果が大きく、学校やビジネスだけでなく、ライブ配信、持ち運びカメラ等、様々な状況で活用できそうな便利な製品です。書画カメラとしては完成形といっても良いほど完成度の高い製品です。
今後、同社の製品をアップグレードするとしたら、コンパクトに折り畳めたり、microSDスロット搭載して単独で録画できるようになったり、単独でWi-Fi接続のYouTubeライブ、Skype、できるようになると、死角無しだな!と妄想してみたくなりました。それほど完成度の高い製品です。
気になる点や、質問、リクエストがありましたらコメントでお願いします。
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関連製品
ディスカッション
コメント一覧
さくらじま様
はじめまして。茨城県在住の小池と申します。
ちょうど「IPEVO書画カメラVZ-X」を購入したいと思っているので、
さくらじま様の記事がとても参考になりました。ありがとうございます。
そこで、ひとつ質問させてください。
さくらじま様のMacbook Air 2011 で、動画も特に問題なくVZ-Xは作動していますか?
私もMacbook Air(2014、13インチ)なのですが、
IPEVOのHPにある必要環境を見ると、
CPU:1.8 GHz 以上必要(推奨は2.5GHz以上)とあり、しかし、
私のMacはCPUが1.4GHzしかありません。
そのため、購入してもうまく作動するのか分からず困っている状態です。
特に動画の遅れ、タイムラグが多い等の不具合を心配しています。
私はPCはまったくの不得意で、先日メーカーにも質問メールを送付したのですがまだ返ってきません。
お忙しいところ、突然の質問で恐縮ですが、教えて頂けますと幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
小池様
はじめまして。
さくらじま様のMacbook Air 2011 で、動画も特に問題なくVZ-Xは作動していますか?
→どこまでを問題とするか人それぞれですが、WEBカメラとしての録画は十分動作していると思っています。
この機能はPC性能に依存しません。高速なPCでも結果は同じです。
録画につてはWEBカメラと同等と考えてください。
手元の動きと、PCの画面とでは多少遅れます。これは不具合ではなく仕様ですね。
これは問題にはならないと考えています。
回答になったでしょうか?
さくらじま様
早速お返事いただきありがとうございます。
まず機能について、PCの高速性に依存しないとのご回答、とても参考になりありがたいです。
ひとつ心配がなくなりました。
この書画カメラの使用目的ですが、
私は大人へ書道を教えており、コロナの影響もあって早急に、
1)私が手本を書く手元を映しながらのオンライン稽古
2)出張教室先での使用(書いている手元をプロジェクター等へ映す)
3)書き方動画を録画して生徒へ配信
の3つを始動させたいと思っています。
そのため、録画とオンラインでのやり取り、両方のタイムラグを気にしておりました。
録画だけでなく、1・2のような相手のいるオンタイムでの動画のやりとりでも特に問題ない感じか、さくらじま様の使用経験や所見がもしありましたら、再度お教えいただけないでしょうか。
(多少の遅れなら問題ないと思っています)
トンチンカンな質問でしたらすみません!
そして何度も申し訳ないです。
テレワークの増加で価格が高騰していて、高い買い物なので迷ってしまっています。
どうぞよろしくお願いいたします。
小池
小池様
コメントありがとうございます。
私は大人へ書道を教えており
→インスタ、Facebook拝見いたしました。書道家なのですね。美しい字に思わず「おぉぉ」っと言ってしまいました。
各々に回答いたします。
1)私が手本を書く手元を映しながらのオンライン稽古
手元を映すには最適なデバイスだと思っています。ただしオンライン稽古にはコツが必要だと考えます。
手元の映像を相手に届くまでざっくり1秒。逆に生徒さんの映像が自分のところまで届くのも1秒程かかります。
私は、書道は素人なので感覚で話をさせてもらうと、力加減、筆使いなどのテクニックはラグの影響を受けにくいので教えるのは容易ではないかと思いますが、生徒さんと呼吸を合わせて力加減やタイミングをあわせる必要がある場面では、ラグが原因でタイミングが合わず教え難いと思います。
お互いタイミングを合わせる為に、タイミングや呼吸を声に出してもらうとか?工夫がいるのではないでしょうか?(例えば「川」だと「スッ、スゥ、スゥー」みたいな?)
2)出張教室先での使用(書いている手元をプロジェクター等へ映す)
プロジェクターへの投影にはうってつけです。ただ、デバイスの形状的に持ち運びを前提に作られていないようで不便です。
3)書き方動画を録画して生徒へ配信
録画は容易ですが、配信方法やプラットフォームが課題になるかもしれませんね。
何度も観られることを想定した録画主体ならキレイに取れるビデオカメラの方を勧めたいですが、真上から撮れるビデオカメラは無いので大掛かりになるかもしれません。
テレワークの増加で価格が高騰していて、高い買い物なので迷ってしまっています。
→確かに高騰していますね。手が出し辛い。実物をお貸しすることはできますがいかがでしょうか?
書道のオンラインへの取り組みは、あまり実例が無いので大変興味があります。
もし、ご迷惑でなければ協力させて頂きたいのですがいかがでしょうか?
さくらじま様
ご親切かつ親身にお答えくださり、本当にありがとうございます。
返事遅くなり申し訳ありません。
私を見つけてくださったとのこと、驚きました!
私もさくらじま様のYouTubeを見つけ、拝見しました。
本当にお詳しいのですね。的確なレビューに感心しきりです。
早速ですが、まずIPEVO VZ-X、さくらじま様のご提案より前に購入決断し、
決済してしまっておりました…!
さくらじま様のおかげで高速性の問題が払拭したこと、
2週間前よりは値下がりし在庫希少なこと、
「うどよし」さんという書道家の方がYouTubeで
同機種をレビューしていたのも後押しでした。
さらに今回、さくらじま様の詳細なご回答のおかげで、懸念部分の対策を考えています。
録画は、俯瞰撮影用の三脚を前に買ったので、iphoneで撮ろうと思います。
本日届く予定です。うまく設定できるかやや不安ですが、
9月からオンライン稽古をスタートできるよう頑張りたいと思います。
入れ違いになってしまい残念ですが、
親切にご提案いただき、本当にありがとうございます。
様々な機種のレビューをこれからも楽しみにしております!
できましたら今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
小池
小池様
お役に立ててなによりです。
他の書道家の方が使われているのですね。
YouTubeを拝見したところ、書道に便利そうな感じですね。
今後の活用が楽しみです。
IPEVO VZ-Xの操作感はいかがでしょうか?
わからないことがあれば聞いてくださいね。
オンライン稽古がどのようになるか楽しみです。
もしよかったら状況等教えていただけると嬉しいです。
こちらは何かしらの提案ができればと思っています。
今後とも宜しくお願いいたします。