OBSは無料で使えるライブ配信できる素晴らしいソフトです。しかし、設定が上手くいかず挫折している人も多いようです。
確かに聞きなれない言葉や設定項目が多いのも事実です。
そこで私の環境とOBSの設定を例にして設定方法を、ご紹介したいと思います。参考にしていただけると幸いです。
環境
OBSのインストールにはテスト機として下記の環境にインストールしています。OSはWindows10、GPUはGTX1050Tiで新しめですが、CPUは2010年、マザーボードは2008年で年季の入った製品を使っています。ある程度古いPCでもインストールできます。
- OS:Microsoft Windows 10 Pro
- CPU:AMD Phenom(tm) II X6 1100T Processor
- メモリ:8 GB RAM
- GPU:GeForce GTX 1050 Ti
- 画面の解像度:1920 x 1080, 60Hz
- キャプチャボード:SKNET MonsterX3A SK-MVX3A
- ゲームハード:Nintendo Switch
- 配信サービス:YouTubeライブ
設定
設定には下記サイトを参考にしました。
「一般」ではデフォルトから変更するところはありません。ソフトの使い勝手を決める項目です。好みで設定してください。
「配信」ではライブ配信するサービスを選びます。以下のように設定します。
- 配信種別:ストリーミングサービス
- サービス:YouTube / YouTube Gaming
- サーバー:Primary YouTube ingest server
ストリームキー:自分のYouTubeチャンネルからストリームキーを入手し入力します
ストリームキーの入手方法
自分のチャンネルを開いて「クリエイターツール」→「ライブストリーミング」→「今すぐ配信」→「エンコーダーの設定」を開きます。
図のように「ストリーム名 / キー」があります。キーが伏せ字「●」になっているので「表示」ボタンを押してキーを表示させます。表示させた「ストリーム名 / キー」をコピーしてOBSの「ストリームキー」へコピーします。
「出力」の「配信」を設定していきます。
私は、昔のPCを使っている為、CPUエンコードは力不足です。そこでグラフィックボードのエンコード機能を利用してCPUの負担を軽くして配信してきます。
GeForce GTX 1050 TiはGPUエンコードに対応したグラフィックボードです。GPUエンコードを使用して配信する場合には以下のように設定していきます。
エンコーダー:NVENC H.264
- レート制御:CBR
- ビットレート:10000
- キーフレーム間隔:2
- Profile:high
エンコーダーはGPUエンコードを使うので「NVENC H.264」を選びます。
レート制御は安定したデータ量を確保したいので「CBR(一定のビットレート)」を選びます。
ビットレートは10,000Kbpsに設定しています。1920 x 1080 60fpsで配信するためには、YouTubeの推奨のデータレートは4,500〜9,000Kbpsです。安定してデータを送る時、マージンを持たせる為に1,000Kbps多めに設定しています。
ビットレートは回線の通信速度により安定した通信速度を設定する必要があります。私の通信環境では安定的に100Mbps以上の速度が出せるのでこのようにしています。通信速度のベンチマークサイト(例えばSpeedtestとか)の測定結果を参考にビットレートを設定してください。特にアップロードの速度が重要です。
ちなみに通信速度と最適解像度の関係は以下のようになっています。解像度の設定については後ほど解説していきます。Nintendo Switchは1920 x 1080、1280 x 720どちらの解像度にも対応しています。
- 1920 x 1080, 60fps 4,500~9,000 Kbps
- 1920 x 1080, 30fps 3,000~6,000 Kbps
- 1280 x 720, 60fps 2,250~6,000 Kbps
- 1280 x 720, 30fps 1,500~4,000 Kbps
「出力」の「音声」を設定していきます。ここでは音声ビットレートを128にしておきます。
「音声」を設定していきます。以下のように設定していきます。
- サンプリングレート:44.1khz
- チャンネル:ステレオ
「映像」を設定していきます。以下のように設定していきます。
- 基本(キャンパス)解像度:1920 x 1080
- 出力(スケーリング)解像度:1920 x 1080
「基本(キャンパス)解像度」はPCでキャプチャ画面を扱うサイズを示していて、「出力(スケーリング)解像度」は配信する解像度を示しています。
出力(スケーリング)解像度は安定して出せる通信速度に依存します。下の解像度とデータレートの関係を参考にして設定していきます。
- 1920 x 1080, 60fps 4,500~9,000 Kbps
- 1920 x 1080, 30fps 3,000~6,000 Kbps
- 1280 x 720, 60fps 2,250~6,000 Kbps
- 1280 x 720, 30fps 1,500~4,000 Kbps
私は、キャプチャボードSKNET MonsterX3A SK-MVX3Aを1280 x 720 、60fpsで使っています。60fpsで扱える最大解像度が1280 x 720だからです。基本(キャンパス)解像度は高解像度にするため1920 x 1080を使っています。
通信速度の関係で出力(スケーリング)解像度を小さくする必要がある場合でも「基本(キャンパス)解像度」は高めに設定しておきましょう。「基本(キャンパス)解像度」を高くしてから「出力(スケーリング)解像度」を小さくしたほうが綺麗に配信できます。
「ホットキー」は配信に関連するショートカットキーを設定できます。ここでは設定しません。好みで設定してください。
「詳細設定」では映像の表示や録画設定等の設定ができます。ここでは必要ありません。
YouTubeでライブ配信するための設定は以上です。
注意事項
YouTubeは高い解像度で高画質で配信できるのが大きなメリットですが、高画質で配信するためには品質の良い通信回線、性能の高いCPUまたはグラフィックボードが必要です。
自分の環境の通信速度とPCの性能に合わせた設定をするようにしていきましょう。